“ 2018年8月3日より公開されているトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の続編で、ストーリーや登場人物を理解するためには予習が必須になります。
ネタバレしない範囲で予習ポイントをまとめましたので、これから鑑賞される方はぜひご参考にしていただければと思います ”
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
トム・クルーズ主演の人気シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が、2018年8月3日より、日本公開となりました。
足を骨折してしまったビルジャンプをはじめ、高度7620mからのHALOジャンプやヘリコプターからの落下など、スタントマンやCGを使わないトム・クルーズの「本物」のスタントが大きな話題となっています。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
公開前から過去作以上に盛り上がっている本作は、前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の続編であり、ストーリーを理解するためには予習が必須になります。
ということで、ネタバレしない範囲で『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を鑑賞する前の予習ポイントをまとめました。これから鑑賞される方はぜひご参考にしていただければと思います。
本作は前作からの続編
ミッション:インポッシブルシリーズ第6作目となる本作は、前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』からストーリーが続いており、シリーズで初めて2作連続でクリストファー・マッカリーが監督を務めています。
登場人物も前作と変わりがないため、前作の情報がないとストーリーも登場人物も理解ができません。
出典:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』公式サイト
また、トム・クルーズ演ずるイーサン・ハントの元妻であるジュリアも登場するため、前作だけでなく『M:i:III(ミッション:インポッシブル3)』や『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』も観ておく必要があります。
順序としては、『M:i:III』→『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』→『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』と作品の公開日順に観れば物語はつながります。
・本作を観る前に『M:i:III』以降の3作は予め観ておくこと
登場人物の顔と名前は事前におさらいを!
本作のあらすじは、公式のホームページで開示されているものをベースにすると、
本作は、秘密組織「シンジケート」のボスであるソロモン・レーンを捕らえてから2年後の世界。
IMFのエージェントであるイーサン・ハントらは盗まれた3つのプルトニウムの回収目前で突如現れた何者かにプルトニウムを奪われてしまう。この事件の裏側には、「シンジケート」の残党が結成した「アポストル(神の使徒)」が関与している。
手がかりはジョン・ラークという正体不明の男の名前と、彼が接触するホワイト・ウィドウと呼ばれる謎めいた女の存在のみ。ラークが接触するという謎めいた女、ホワイト・ウィドウに近づく作戦を立てるイーサンらだったが、イーサンの動きに不信感を抱くCIAが監視役として敏腕エージェントのウォーカーを送り込んでくる。
イーサンはホワイト・ウィドウの信頼を得るため、やむなく収監中のソロモン・レーンの脱走に手を貸すことに。しかし、ソロモン・レーンを狙うMI6のイルサとは対立してしまう。
一方、同行するウォーカーはイーサンへの疑惑を深め、二人はやがて対決の時を迎える。やがてタイムリミットが刻一刻と迫る絶体絶命の中で、いくつもの〈フォールアウト(余波)〉がイーサン・ハントに降りかかる・・・。
前作の続編ということもあり、登場人物については本作で説明がありません。そのため、予め登場人物の名前と顔をちゃんと把握しておく必要があります。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
まずは左からベンジー、イーサン、ルーサーのおなじみの面々。彼らについての説明は野暮になりますのでここでは割愛しますが、お気づきでしょうか?本作にはジェレミー・レナー演ずるのブラントは登場しません。
本作の脚本は、クランクインする時点でわずか33ページしかできあがっていませんでした。監督が脚本家を兼ねている点を生かし、撮影しながら脚本を執筆し、改稿を重ねながら、作品を発展させていく形をとっていました。当然ながら、撮影スケジュールは流動的。同時期に撮影予定があったマーベル映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の契約があるジェレミー・レナーは出演できませんでした。
ただ、実際のところ、ジェレミー・レナー演ずるホーク・アイは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも登場しないという皮肉な結果となりました。果たして『アントマン&ワスプ』に登場するのでしょうか。。。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
続けて左から、 前作でIMF長官に就いたアラン、MI6のスパイで「シンジケート」に極秘潜入していたイルサ、そして「シンジケート」のボスであるレーン。
レーンは捕まっていたこともあり、髭がもじゃもじゃで、メガネをしていないため、別人に見える方も多いのではないでしょうか。特徴のある声で記憶が蘇りましたが、もう少し面影を残しておいてほしいものです。
出典:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』公式サイト
イルサは「シンジケート」に極秘潜入しており、レーンの活動を追っていたMI6所属のスパイでしたが、レーンが捕まったにも関わらず、なぜ本作に登場しているのか注目になります。
出典:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』公式サイト
そして、本作の新キャラになります。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
左から、ホワイト・ウィドウ、ウォーカー、そしてCIA長官のエリカになります。彼らは本作からの登場になるため、ストーリー上でキャッチアップできます。
ちなみに、ウォーカー役は「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カビルになります。そうです、スーパーマンです!
出典:【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|マン・オブ・スティール
こちらも髭をたくわえるとイメージがガラリと変わりますね。
ちなみに、トム・クルーズが挑んだ上空7,620メートルからのスカイダイビングですが、ヘンリー・カビルはやりたくてやりたくてすがるように「やらせてほしい」とお願いしたものの、技術が足りず、やらせてもらえなかったそうです。
スポンサーリンク
さて、もうひとり抑えておかないといけない登場人物がイーサンの元妻ジュリアです。
イーサンとジュリアとは『M:i:III』で夫婦となりましたが、ジュリアに危険が及ぶため、離婚してジュリアは戸籍を変えています。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』では、ジュリアはセルビア人組織によって殺されたとされていましたが、ラストに生きていることが判明します。
・予め登場人物の名前と顔をちゃんと把握しておく
・レーンは前作から見た目が変わっているため注意
アクションとカメラワークだけで十分楽しめる?
トム・クルーズがスタント無しで挑むアクションの数々は見応えがあります。
高度7,620メートルからのHALOジャンプ(高高度降下低高度開傘)やパリ凱旋門のラウンドアバウトを逆走するバイクチェイス。ヘリコプター追撃のシーンでは、トム・クルーズが自ら操縦を行い、らせん式状に落下していく超危険なアクロバット飛行をやり遂げています。
トム・クルーズが足を骨折してしまったビルとビルの間をジャンプするシーンは有名ですね。本作では骨折した時の映像を使っているようです。これら危険なアクションを56歳のおじさんが、スタントマンを使わず、すべてひとりでやってしまうわけです。これを観るだけでも価値があります。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
カメラワークにも注目で、トム・クルーズ本人が演じていることもあり、顔の映りこみを気にする必要がないため、かなり攻めた撮影をしています。
例えば、HALOジャンプは、飛行機から飛び立つ瞬間からパラシュートを開く直前まで2分30秒以上をノーカットで撮影しています。カメラワークを追うだけでも十分に楽しめてしまいます。
・アクションとカメラーワークに注目!
ストーリーの理解は正直しんどい
コメディタッチな過去作に比べ、本作はサスペンス感を強く押し出しています。ただ、チープなものも含め、騙し合いが多く、それらが物語を分かりづらくしています。
また、CGを使わず、実写にこだわっているという情報を強く植え付けられていることもあり、「このシーンは実写?」「どうやって撮影しているの?」ということばかりに気をとられ、物語がなかなか頭に入ってきませんw
前述しましたとおり、本作の脚本は、クランクインする時点でわずか33ページしかできあがっていませんでした。トム・クルーズの要望を踏まえたアクションシーンの撮影ありきで進めていったため、シナリオは後回し。撮影しながら物語の辻褄をあわせていったようです。
そのため、どうしても辻褄が合わなくてカットされた映像も多くあるようで、予告編で流れているシーンのいくつかは本編に出てきません。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
例えば、パーティ会場の頭上でイーサンがロープにぶら下がるシーンや、イーサンが操縦するヘリコプターが、山道を走るトラックと激突寸前になるシーンなどは本編には出てきませんでした。なんともったいないことを。。。
それでも本作は上映時間147分とシリーズ過去最長です。2時間半の長編となるため、鑑賞前は必ずお手洗いに行っておくことをオススメします!
・2時間半の長編のため、鑑賞前は必ずお手洗いに行っておくこと
メイキング映像を映画にしたほうがおもしろい!
ネタバレを防ぐために詳細は防ぎますが、本作ではHALOジャンプ(高高度降下低高度開傘)を行う必要性もイマイチわかりませんw
HALOジャンプは特殊部隊が敵の領域内へ、発見されないように密かに忍び込むために、通常のスカイダイビングよりもはるかに高い高度から飛び降り、パラシュートをリミットギリギリのタイミングで開くというものです。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
トム・クルーズは実際に自分でやっているのですが、これもトム・クルーズがHALOジャンプをやりたいだけで、ストーリーは後付けで対応しています。物語に無理が発生するのは当然のことなのです。監督しかり、スタッフ陣しかり、物語の整合性を図るのに苦労する様子が思い浮かびます。
また、演じているキャストも、撮影が進まないと自身が味方なのか敵なのかもわからないため、どのように演じたらよいのか正解がなく、非常に大変だったようです。観ている側も感覚的にイマイチしっくりこないのはこのせいだと思います。
その他、撮影のためにオリジナルで作ったアイテムもあり、例えばHALOジャンプのフルフェイスマスクがそれにあたります。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
敵に発見されないようにHALOジャンプをしているのに、フルフェイスマスクの中はきれいにライトアップされていますw
暗い機内や日没間際の空でもトム・クルーズやヘンリー・カヴィルの表情が見えるように、顔の周りにLEDを埋め込みました。
高度7,620メートルではLEDが発火する危険性があるようで、電球をシリコンでコーティングする工夫を施して安全性を担保したそうです。
また、トム・クルーズがHALOジャンプ中の演技を練習するために、世界最大のバーティカル・ウィンド・トンネルを作りました。繰り返しますが、練習するために作っています。練習機材にも相当なコストをかけています。
スポンサーリンク
本作は作品自体も当然おもしろいですが、撮影シーンやミーティングシーンなど、キャストやスタッフにスポットライトを当てた、撮影裏側のドキュメント映像のほうが絶対におもしろいと思います。DVDの特典映像に入れるかもしれませんが、ぜひ制作過程をノンフィクションで映画に仕上げいただきたいです。
ちなみにエンドロール後に特別な映像はありませんでしたが、ぜひ次回はジャッキー・チェンの映画のように、エンドロール中にNGシーン集を入れてほしいです。エンドロール中に席を立つ客はまずいなくなると思います。
出典:映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト
ということで、最後は僕のニーズを押し出してしまいましたが、トム・クルーズの「観客はフェイクとリアルの違いがわかるから騙せない」という信念が他の作品では真似できないユニークな作品を生み出しました。
ぜひ予習をしたうえで、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を楽しんでいただければと思います。この記事を書いていると、もう一度見たくなってしまったので、僕は2回目の鑑賞に行きたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スポンサーリンク